栃渋は織部の緑色をキレイにするために使います。
クヌギのカサを使って、栃渋を作る方法を紹介します。
栃渋の作り方
必要なもの
クヌギのカサ バケツ半分くらい
バケツ
水 くぬぎのヘタが浸かるくらい
まずクヌギの木を探さないといけません。
山で探すのが基本です。
大きな公園に植えてあることもあります。(念のため、採集していいか市町村に尋ねましょう)
カブトムシが好きなことで有名な木です。
季節は秋の10月、11月頃がねらい目です。
クヌギのドングリを使います。
必要なのはカサの部分です。
水を張ったバケツにクヌギのカサをいれます。
1日たつと水の色が茶色になってきます。
日がたつにつれて色が濃くなります。
泡が出てきて、水面が泡だらけになりました。
鼻にツーンとするにおいも目立つようになります。かなり臭い。
1週間ほどつけたら、網でこします。
バケツを外に置く場合は雨水が入らないように気を付けましょう。
この間、台風がきたときはバケツが吹き飛んでいました。
できたクヌギの渋ですが、濃すぎるときは水を足します。
織部の器を浸けて、時間を記録するとわかります。
試しに1時間浸けたときは変化がわかりませんでした。
一晩浸けたときは、キレイになっていました。
美しい緑色。
この変化が織部の好きなところです。
(使用後の写真をとったときは天気がくもり気味でした)
この織部の調合は栗皮灰:福島長石を5:5に酸化銅を5%くらい。
灰多め織部だと酸化被膜がでない場合があります。
浸けたあとは、噐を水で洗いましょう。
黒っぽい膜が浮いてきます。
焼き上がった噐をいきなり浸けると、ニオイが取れにくくなります。
一度水を吸わせた方が良さそうです。
渋を使うと白い釉薬の貫入(小さいヒビ)が目立ちます。
無釉の素地部分も黒っぽくなります。
ニオイや色が気になる場合はクヌギを使わずに希塩酸やクエン酸を使います。
塩酸の取り扱いは注意しましょう。
この後、中和する目的で重曹水に漬けましたが、変化があまりわかりませんでした。
(酸性とアルカリ性)
その後4か月経ちました。
渋のニオイがします。酢に似た感じです。腐った水のニオイはほとんどありません。
あまり濃いめの栃渋につけっぱなしにすると、ニオイがなかなか取れないので注意しましょう!