本焼きして、窯から出したばかりの状態の陶器。
陶器は焼いた後に削らなければ使えません。
器の底や表面がザラザラして、ケガの原因や机の傷になる場合があります。
また、手ざわりをよくするために削ります。
次の動画では早送りで磨いています。
詳しい動画
陶器の底をヤスリや砥石で削る
必ず削る部分は、器の底です。置いたときに机にくっつく部分、また表面のトゲも削ります。
使うのは紙ヤスリや砥石。
陶芸専用の砥石もありますが、ホームセンターで売っているものでじゅうぶん。
よく使う紙ヤスリは100番から200番くらいです。
荒目と細目があると便利。
まず砥石で削ります。次に紙やすり。
目の荒いほうで削ってから、細いほうで仕上げましょう。
指が入らないようなスキ間が狭い部分は、紙やすりを細い棒に巻きつけてから削ります。
削った後は、手でさわって感触を確かめます。
ひっかかる感じがあれば、その部分を削りなおします。
器の内側や、口を付ける部分もキレイにしましょう。
また、器を置いたときにカタカタカタカタ鳴って、揺れる場合があります。
底がデコボコしている証拠なので、でっぱりを削って平らにするといいでしょう。
それから、ヤスリで削りすぎると陶器らしさが半減しますので、いいところまでで終了。
陶器は使い続けることによって、ザラザラだったものがツルツルに変化するというメリットもあります。
マット系の手触りが、なめらかに。タワシで長期間ガシガシ洗うと変化しやすいです。
よくある失敗は、ツルツルな面に荒めのヤスリが当たって引っかき傷になること。
最近は砂ボコリ防止に容器に水を張って、そのうえでジャリジャリ磨いています。
釉薬が器の底まで流れてしまった場合はジスクグラインダーやミニルーターで削る
釉薬はよく流れます。流れた模様が美しい陶器。
わざと思い切り流す方もおられるでしょう。
わたしの使っている織部も、非常によく流れます。
釉薬が器の底まで流れると、アルミナの棚板と融合して非常に硬くなります。
見た目が悪い上に、くぼみのできた棚板の修理もしないといけません。
この処理は、けっこう大変。
先ほどのようにヤスリを使って手作業でやると、ひとつだけで1時間以上かかることもあります。
機械を使って削りましょう。
よく使うのがジスクグラインダーです。あと、ミニルーター。歯医者さんの道具みたい。
ミニルーターの先っぽのヤスリは30種類くらいパーツがセットでした。
ほぼ、同じものしか使いませんが……。
陶器から石の粉が勢いよく飛び散るので、防護メガネを使います。
防塵マスクが便利。
特に、ジスクグラインダーは強力に回転するので事故に注意が必要。
振動で、腕の感覚もおかしくなります。
ジスクグラインダーを工事で使用した際に起きた死亡例もあります。
回転する砥石と、機械本体の回転数のあったものをどうぞ。
正しく使えば便利な機械ですので、安全に使いましょう。
陶器の釉薬部分を削るときは、削りすぎないようにちょっとずつやるのがコツ。
食器洗いなどで、器の口がちょこっと欠けたときも同じようにヤスリがけをするとなめらかに!
安全第一でやってみましょう。