面倒な削り作業。苦手な方も多いかと思います。
削っている途中作品がふっ飛んだり、中心がブレたり、底に穴があいたり。
せっかく作った作品は、削りで失敗しないようにしたいですね。
そこでオススメするのが湿台(シッタ)を使った削りです。
シッタが必要な理由は、削るのがラクだからです。口がガタガタなものでもラクラク削ることができます。
残りの厚みがよくわからないときに作品を外して、またセットするのがスピーディーに!
5分で作れる湿台(シッタ)と呼ばれる削り台の作り方を紹介します。
陶芸のプロが教える削り方・5分で使える湿台(シッタ)を作る方法
よく使われるシッタいろいろ
シッタですが、ふつう削り作業直前に作るものではありません。
シッタが柔らかいと削りができないからです。
①前日に作っておく生の粘土のシッタ
電動ろくろでふつうに作品を作って、残りの粘土で花器みたいな形のシッタを作っておきます。そのままの状態で、ろくろから移動させずに自然乾燥。
少し乾燥した生のシッタだと、削る器がほどよくくっついてセットがラクです。
シッタが使えるまでに時間がかかります。
シッタが完全に乾燥した後も使えます。底を水でぬらして、電動ろくろにくっつけて使いましょう。
数が多いと邪魔。すぐに欠けます。
②素焼きしたり本焼きしたシッタ
まず、正確に作っておかないとブレます。使うときは水にしばらく浸けましょう。
そうしないとすぐに乾きます。電動ろくろのテーブルに、粘土でしっかりと接着。
そのまま器をセットするとキズがつきます。
接着するところに粘土ヒモを巻いて保護しましょう。
粘土の代わりに布を巻いてもいいでしょう。
シッタの作り方
適当に作った湯のみを用意しました。
口が波うっていますね。あんまり乾いておらずベタベタしています。
よくある簡単な削り方。作品を粘土で止めただけ。
これでは口が変形します。
タタラを巻くための型ですが、シッタにもなります。
シッタの底は、くっつきやすくするためにキズを入れておきましょう。
シッタの上の方は角が無いほうがいいです。
シッタのセット
シッタの底を水で濡らして、ろくろを回転させつつ押し付ける。
すぐにブレを取る。あっという間に固定されるので素早く。
シッタを取り外すときは、横からガンガン殴りましょう。無理やりひっぱると欠けます。
シッタは便利ですが、底を平らに合わせるのが面倒ですね。
真横から見るとブレがわかります。
さっそくシッタを作ります。
使う粘土は、使った後すぐに壊すので空気が入っていようがかまいません。
固めの粘土がいいでしょう。
手のひらでバシバシ叩いて、いつのもように中心へ。
電動ろくろですが、水は使いません。
今のうちに、削りたい作品の中の形に合わせましょう。
適当に穴あけ。
細長い花瓶、トックリ用のシッタなら大きめの穴をどうぞ。
カンナで整えます。
シッタが作品に合ったらブレを確認しつつセット。
削りましょう。
高台の形はお好みで!
シッタのベタつきが気になるなら、布をセット。
布で摩擦が小さくなるので、作品が吹き飛ぶかもしれませんね。
シッタがやわらかすぎて使い物にならんわ! という場合は
ガスバーナーを使いましょう。ろくろを回しながら炙ります。
もしくは、固まるまでひたすら待つとか……。
ガスバーナーは安物でもじゅうぶんです。
料理に使う方もおられますね。
次は、お皿を削ります。
幅広くとりましょう。
【手びねり】陶芸のプロが教える角皿の作り方・ゆがませない方法
で、前回作った角皿を削りました。
角皿は、電動ろくろのテーブルに直接置くと変形しますね。
シッタがベタベタしているおかげでセットがラクですが、器のなかにシッタのアトがつきます。
それぞれ作り方、作るもの、大きさなどで削り方を変えていくといいでしょう。
シッタや電動ろくろ、手ろくろを全く使わずに手だけで削ってもいいと思います。
そもそも削らなくてもいいと思います。自由にどうぞ!