陶芸の絵付けを紹介します。
下絵付けの準備として、絵の具の調合。
主に鉄のサビの色が強く出ており、赤色に見えますね。
下絵付けの調合例
鉄:100
マンガン:5 単体で使うと、茶色系。
コバルト:2 多いと、すぐ青くなる。
灰:10
珪石:10 珪石を入れると、流れにくくなります。ハッキリな絵。
水:だいたい粉末の3倍くらいです。一気に薄くすると、調整できないので水は少しずつ足しましょう。
長石をちょっと足してもいい。
例)弁柄100g、マンガン5g、コバルト2g、土灰10g、珪石10g、水300g
おおざっぱだと、鬼板と水だけでも使えます。
絵の具に長石釉をちょっとだけ混ぜてもいいですね。
左右のペン立ての黒い線が下絵です。
・陶芸のプロが教える器のデザイン・簡単なデザイン方法と描き方
猫も絵付けしています。
下絵付けの材料と用意する道具
乳鉢と乳棒:量が多いと混ぜにくいため、大きめが使いやすいです。
量り:0.1gまで量れると便利。
お茶:水でも可能です。
鬼板・弁柄などの鉄分:細かい粉末です。
マンガン・コバルト:色に変化が出ます。粉末。
灰:釉薬となじみやすくします。使う透明釉と同じ成分がおすすめ。
珪石:溶けにくくします。
・乳鉢・乳棒
じょうぶな磁器です。
乳棒は20cmくらいのものがほしくなります。
付属の乳棒は、みじかすぎて手が痛い。
・量り
0,1gまで量れると便利
・鬼板・弁柄
簡単にいうと鉄のサビです。
鬼板は鉄以外にも不純物が混ざっていますが、味のある感じ。
弁柄は、精製されており綺麗。
・マンガン
マンガン乾電池が有名。
単独の場合、茶色。濃いと黒。
・コバルト
お高めの金属。時価です!
・安全なマスク
金属粉末が飛ぶので、マスクをオススメします!
大げさにみえますが、やっぱり防塵マスクが安心です。
下絵付けの絵の具の調合
あらかじめ部屋の窓を閉めて風を防ぎましょう。扇風機、エアコンの風も注意です。
量りで、正確に。ガタつきを確かめてから。
十字に折った紙を開いて敷いています。
ゼロgに合わせてはじめます。
量りは、0.1gまでの目盛りがないとわかりにくいかも。
量るときは、まず多めにすくいます。次に量りを見ながら、減らしていきましょう。
風で舞い上がった粉末を吸い込むとあぶないです。
見えないのでなるべくマスクしましょう。
そおーっと中へ。
どんどん次の材料を足していきます。
金属や灰が混ざると困るので、スプーンは拭きながら使いましょう。
お茶です。
濃いめのお茶を腐らせたものです。
お茶の効果で、絵の具が描きやすくなります。
鼻にツーンときます!だいぶ臭いので、普通の水でもかまいません。
ひたすら混ぜます。釉薬と違って混ぜるほど良いそうです。
乳鉢を少しナナメにした方が、よく混ざります。
激しく混ぜて、飛び散らないよう注意しましょう。
鉄分なので血がついたようになります。
服を普通に洗濯しても赤色は落ちません!
紙で試します。
あまりに濃すぎると、絵の上にのる釉薬をはじきます。
薄すぎると失敗。
上の画像の左下の黒丸の長石釉が少しはじかれています。
一応、素焼きで試し描きをしてから下絵付けをはじめましょう。
下絵付け:釉薬の下に描いているから”下”絵付けです。
いろんな材料を混ぜていますが、鉄と水だけでも描くことはできます。
材料の調合比、水の量を変えれば絵にも違いが出てくるでしょう。
下絵付けで使った筆と洗った水の処理
筆を洗ったら吊るしたり、立てておくと筆先が曲がりません。
使う筆は面相筆、イタチ毛などがあります。サイズがいろいろほしい。
ネット販売とか画材屋さん、大きなホームセンターなどで販売。
筆を洗うと金属がたまります。直接水道で流さない方がいいでしょう。
私はバケツに水を汲んで筆を洗っています。しばらくすると金属などが沈殿しますので、上澄みを捨てて集めます。
集めた金属は花瓶の内側用の釉薬にするか、燃えないゴミとしてポイ。
使いきれなかった絵の具
絵の具を作った当日に使いきれない分は保管しましょう。
乳鉢をそのまま置いておくと、絵の具の水分が蒸発してカチカチに固まります。
水を足せば使えます。その際、濃さを調節してから使いましょう。
下絵付けでよくある失敗
絵付けをしたあとに、手に持っている作品を持ちかえたら、絵を触ってにじんでしまった。
服に付いた鉄の絵の具とおなじで、素焼きを洗っても元には戻りません。
キレイに洗ったつもりでも、本焼きすると鉄の色が浮かび上がってきます。
どうしても修正したいときは、ヤスリで削るくらいしかありません。
陶芸の絵は、紙に描く絵とは違います。
描く面が曲線だし、絵の具ののびは悪い。描いていると筆がひっかかります。
筆もすぐにボロボロに。
絵の具の材料は金属や石なので、すぐに下に沈みます。
しょっちゅう乳棒でグルグル混ぜないといけません。
絵の具の濃さも変わります。
ちょっと大変なことばかり挙げましたが、絵で器の印象は変わります。
絵を描くための器をつくるなら、シンプルな面を心がけると後がラク。
表面のろくろ目はうすくしたり、ヘラで削ったり、小粒で細めの粘土を使ったり。
私自身、ドットや線など簡単な模様しか描いていませんがバランスがとれていると面白いです。
そんな下絵付け、ぜひお試しください!
もっと手軽に下絵付けをやるならセットで揃えるとよいでしょう。
色の感じを確かめる勉強になります。
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