安定して下に流れにくく使いやすい黒マット釉。真っ黒な鉄みたいになってカッコイイ器に仕上がります。
酸化ではつや消しの黒、還元では瓦のようにいぶし銀な黒になる釉薬です。
でも、自分で調合すると黒とはかけ離れた茶色になることもあります。
今回はわたしが使っている黒マット釉の調合を紹介します。
2022/6 今回は同じ調合で右側のようになりました。還元です。
黒マット釉のベースになるカオリンマット釉の調合
釉薬の調合はいくつかありますがカオリンマット釉をベースに調合していきます。
少しだけカサカサな白マット。
あんまり多くの原料を使うと覚えにくいのでシンプルに長石と石灰とカオリンだけ。
長石:5
石灰:2
カオリン:3
量を200倍にすると長石が1000g、石灰400g、カオリン600gですね。
水は粉の3倍くらいでしょうか。ちょうどいい濃度がわからないときはボーメ計で測りましょう。
長石は溶けにくい釜戸長石、ネズミ石灰、朝鮮カオリン。
似たものなら他の原料でも可能です。比率もだいたいで大丈夫。
黒マット釉の調合
先程のカオリンマット釉に金属を10%ほど加えるだけです。
引き出し黒ではないので、鉄だけを加えても真っ黒にはなりません。
黒はいろいろな色の混じった色です。考え方は絵の具と同じ。
他の金属も少しだけ混ぜて色を補いましょう。
トップの画像クローバーのマグカップは鉄、マンガンの黒化粧です。茶色っぽいですね。
手に入れやすい金属をつかいました。
鉄、マンガン、銅、コバルトです。
カオリンマット釉:100
鉄:7
マンガン:1
銅:1
コバルト:1
こちらの比率もだいたいでOK。
鉄は鬼板とか弁柄、砂鉄(黒浜)、黄土とか。弁柄や砂鉄以外は鉄分少ないので多めに入れましょう。
あとは、酸化金属いろいろ。
茶色系の黒っぽさが好みなら金属は鉄のみで調合をどうぞ。
カオリンマットと混ざると銅の成分で緑になってますね。茶色も出てる。
黒マットがあまりに薄いと茶色になります。
濃いめで掛けましょう。
ちなみにアルミナを少し釉薬に混ぜると溶岩肌みたいになります。ちょっとガサガサでイヤな手触り。
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