陶芸は電動ろくろを使うと、手びねりよりも早いスピードで作ることができます。
使い方を覚えると、とても便利な電動ろくろ。
しかし、便利な反面難しくて困ることもあります。それは削りです。
「削りすぎて器の底に穴があく」という失敗がつきものの削り作業。
穴があかなくても高台や、厚みのバランスが壊れたり……。
せっかくうまく作っても、削りで台無しに。
削りがうまくなることも大切ですが、そもそも削らなければ失敗は回避できます。
逆に考えましょう。
この記事は、ある程度「電動ろくろ」を使える人向けです。
陶芸のプロが教える電動ろくろのコツ・面倒な削りのいらない作り方
動画と下の画像は違いますが、工程はほぼ同じです。
画像は電動ろくろです。
ふつう5kgくらいの粘土を使って、一気に何個も作っていきます。
しかし今回は、一個ずつ作ります。
とりあえず300gくらい。
粘土の重さを量って作ることで、大きさを合わせることができます。
粘土を電動ろくろのテーブルに据えつけて、挽きましょう。
底の厚みを針などでチェックして5mmくらい残します。
使う粘土の荒さで底の厚みは変えましょう。
器の腰の部分、付け根の部分はあまり分厚くならないようにしっかりと伸ばします。
底はしっかりと締めておかないと乾燥とか焼成でヒビ割れます。
筒形です。付け根の部分はヘラなどで切れ込みを入れると、ワイヤーでカットしやすくなります。
荒いヒモでカットすると、底に穴があくこともあるので注意。
これで完成!
テーブルから手で持ち上げて板の上へ。
器の底が薄いため、ガシッと両手でつかんで持ち上げました。
両手をチョキの形で二本指で持ち上げるのが常識ですが、表面に付く手跡を気にしないならこの方法でどうぞ。
また、手跡を付けたくないなら石こう板や木の板を使うことで器に触らずに移動させることができます。
電動ろくろのテーブルに、粘土をかませることで板を接着。その上で作りましょう。
完成したら、板ごと移動。次は、また板を接着してからの繰り返しです。
ただ、普通の板だと水平がズレたり外れたり、ささくれで指をケガしたりします。
いくつも作るなら、市販のカメ板がラクです。
通常は、粘土10kgの鉢とかの大物を作るときに使います。
同じ作り方をしたマグカップです。
底は、軽くポンポンと叩いてへこませただけ。
フチは、角ばっていたので手でなでました。
本焼きした別のマグカップです。
底も釉薬を掛けています。五か所黒いのは、目あと。
薄い底ですがヒビなどは、ありませんでした。
高台が浅いへこみなので、洗ったあとの水滴が底にたまりにくいというメリットはあります。
後から付け高台もできます。
まとめ
簡単にいうと、はじめから底をペラペラに作っておこうという方法ですね。