なめし革の使い方

陶工房手嶋 手嶋秀樹です。

 

陶芸で使う便利な道具のひとつを紹介します。

それは「なめし革」です! 水にぬらしてみるとヌメヌメとした手触り。

手びねり電動ろくろで器をつくり、口に当たる部分を整えるために使います。

口つくりにかかせませんね。

 

 

【陶芸のプロが教える】なめし革の使い方

 

なめし革は鹿のセーム革

なめし革は鹿の革です。別名はセーム革

革製品に詳しい方なら知っているかもしれませんね。

メガネ拭きとしても使われています。

 

陶芸用品店では10cm×10cmくらいの大きさで売っています。

手びねりやろくろで使うなら、ふつうは3cm×10cmくらいでじゅうぶんです。ハサミで切ることができます。

ただ、なめし革を粘土まみれにして置いておくと微生物が分解してボロボロに。

 

何年も続けて使えるものではありません。

 

 

なめし革の持ち方と使い方

なめし革

なめし革を水の中から出したので、水がしたたり落ちていますね。

このままでは作品がベチャベチャになるため、指でかるーくしごいておきましょう。

 

なめし革

電動ろくろ、手ろくろのどちらでも使える持ち方です。

まず、なめし革を薬指の上に引っかけます。

 

なめし革

そのまま、作品の口にのせます。

親指、人差し指、中指で口をはさみこむ感じです。

 

なめし革

なめし革の端は左手で軽く引っぱります。

 

なめし革

指は、ピーンと伸ばしてしまうとなめし革がスルッと外れてしまいます。

指は、軽く曲げましょう。

 

なめし革

さっきまでの説明の画像では指がジャマでわかりにくいですね。

実際はなめし革のフチだけが口に当たっています

なめし革の面全体で口に触れると、引っぱられて指から外れます。

 

大きななめし革を手に入れる方法

なめし革

大きな作品をつくるときに、軍手や手ぬぐいタオルなどを使います。

主に電動ろくろで荒のばしをするときですね。このときになめらかで大きななめし革がほしくなります。

こんなときに大きななめし革が欲しいと思っても、陶芸用品ではなかなか見かけません。

 

ですが、実は身近に売っています。

それは、車の洗車用の布です。合成繊維はよく見かけますが、たまにセーム革も売っています。

近所のホームセンターにもありました。見た目は、うすい黄色の布です。

 

なめし革

わたしが最近買ったものは、タオル二枚分くらいの広さがありました。かなり広い! (広さ的にこちらの方が安いですね)

それにこの形は……鹿そのままだろうか?

革には詳しくないので、もしかしたら違う動物かも。

 

セーム革にもいろいろな種類があるようですが、天然ものなら陶芸に使えそうです。当然、それらしいニオイがあります。

私は、野球グローブの香りを思い出しました。

動物の皮。

 

天然の革になった鹿に感謝して使いましょうね。

 

 

陶工房手嶋 手嶋秀樹

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