素焼きで爆発させない方法

陶芸で、よくある失敗のひとつに作品の爆発があります。

特に乾燥しただけの粘土を焼く素焼きのときに起こります。

せっかく陶芸教室で体験したのなら、使える陶器を受け取りたいものです。

 

作品を爆発させないためのチェックポイントを紹介します。

 

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素焼きで爆発させないためになるべく薄く作る

作品を、うすくすれば爆発の確率が低くなります。

湯のみやごはん茶碗で厚さ5mmくらいを目安にしましょう。

うすいほど乾燥が早いです。持ったときに重く感じないちょうどいい厚さ。

 

粘土のカタマリを使って人形を作るなら、底から内側に向かって掘って削ります。

作品の前後左右が平均的な厚みになるようにしましょう。

風船状の粘土にしたら、忘れずに空気穴を開けておきます。

 

作るときに、粘土の中に空気が閉じ込められると、そのまま乾燥します。

その後、素焼きで高温になり、閉じ込められた空気が膨張して爆発します。

 

粘土をちぎって丸くまとめるときは、おにぎりのようにギュっとやると空気が入ります。

ハンバーグを丸くするように、両手で交互に叩くようにしましょう。

 

焼く前の作品はしっかりと乾燥させる

焼く前に、粘土の乾燥具合を見きわめないといけません。

湿った状態でそのまま素焼きをすると、爆発します。

粘土は乾燥すると明るい色に変わります。灰色から白っぽい色など。

 

分厚い作品は表面が乾いているだけで、中は湿っていることもあります。

厚みが3cmくらいある大物の鉢や壺は、なかなか乾燥しません。

乾燥具合は、気温や湿気にだいぶ左右されます。

 

陶芸家がよくやっている方法は、天日干しです。

有名な窯業地で、天日干しの風景がテレビで紹介されることもありますね。

 

まずは、そのまま板にのせて屋内で乾燥させます。ある程度乾いたら屋外へ。

急乾燥に耐えられる粘土かどうかで考えましょう。

屋外では日光と風のおかげで中まで乾燥が進みます。

作品の口が乾いたら、逆さまにしてさらに乾燥。まんべんなく。

 

焼成中の窯の上に乗せておくのも良い方法です。

夏は5mm以下のうすい器なら1週間以内の乾燥でOK。

 

素焼きはゆっくりと窯の温度を上げる

温度の上昇が早ければそれだけ、爆発する可能性が上がります。

爆発までいかなくても、ヒビが入ったり一部が欠けたりします。

特に火を点けてすぐ常温から300度くらいまでは、じわじわと温度を上げていきましょう。

 

窯に火を点けると、窯の中(上部の温度計)は5分くらいで100度以上になります。

窯焚きの目安としては、1時間に100度の上昇というスピードです。

本焼きでは1200度になるまでに最低12時間かかる計算ですが、実際はもっと時間をかけます。

 

燃料節約のため時間をかけずにもっと速く焼くこともできますが、器の中にススが残ったような状態になり耐久性が弱くなります。

器が割れたら、断面をじーっとよく見て観察してみましょう。

 

素焼きが焼きあがってみないとわからない

窯焚きをすると、窯の中から聴こえてくる音が気になります。

ゴッというレンガを叩いたような音が響きます。

たいていは作品の爆発ではなく、レンガにヒビの入る音です。

窯は膨張します。

 

素焼きを終え、窯のドアを開けてみないと結果はわかりません。

また、安全を重視したい方は窯の温度が100度以下に下がってから、ドアを開けましょう。

300度などで開けると危ないうえ、器が急に冷めて割れることもあります。

200度でドアを開けて、ちょっとだけ見てすぐ閉めるならできそう。

 

 

作品が割れたら、なにか必ず原因があるはずです。

少しずつでいいので、失敗を減らして作品を完成させていきましょう!