コロンとした丸いラインのカップ。
筒型のカップよりもたっぷり入れられて、スープカップにピッタリな器。
今回は、手びねりで丸いカップを作ります。
丸いカップの作り方
粘土は400g使います。量はお好みでどうぞ。
赤土メインでブレンドした粘土を使用。
両手で持って軽く叩いて丸い玉にしましょう。
手ロクロのまん中にくっつけます。両手で中心に向かって叩きましょう。
中心がずれないように、根っこ部分はしっかりとはりつけます。
少しずつ回しながら親指で中心をへこませます。底の厚みは1cmくらい。
カップの底、平らな部分の広さでだいぶ 印象が変わります 。
底が狭いほど不安定な逆三角形に。広いほど丸っこさが失われます。
どんどん 背を高くしたいので 、親指は外に出して手前をつまみます。
押す間隔は狭く、チョコチョコと。
全体的な暑さは5mmくらいにそろったらのばすのは終了。
のばすと必ず広がります。口が広がると「ごはん茶碗」みたいになるので、縮めましょう。
左右を中心に1mmずつ入れるような感じで1周。画像だとわかりにくいため動画でご確認を。
実際はこんなポーズでやってます。
のばして縮めてのばしての繰り返しです。
丸い形をイメージしながら、1番張らせたい部分をねらって中から押し出します。
横から見ながら少しずつ調節。
最後に口を整えて完成!
薄いほど良い口当たりですが、欠けやすさは増します。
手びねりらしさを残すため、口の高さはバラバラのままです。キレイな球体になるほど飲みにくくなりますのでバランスが大事。
丸いカップの削り方
手で削る場合は、手ロクロで。
電動ロクロで削る場合もだいたい手順は一緒です。
内側の形に合わせて外側を削りましょう。
粘土を削り台にしています。湿台(しった)ですね。
中心にカップをセット。
底をきちんと水平にしておくと器がまっすぐ立ちます。
まず上を平らに削りしましょう。
次は横を削ります。たまに取り外して厚さをみながら。
底を平らにするとカタつく場合があるため、中心はへこませています。
乾燥とか焼成で底がガタガタになる事もあるからです。
平らに削ったあとに手でポンポン叩いてへこませてもOK。割れ防止にもなります。
丸っこい感じになりました。
丸いカップの取っ手の付け方
粘土をコロコロ転がしてヒモにします。
あまりに細い取っ手は、指に食い込んで痛いかも。
つぶして平たい取っ手にしました。
ちょっとずつ曲げて弓でカット。
焼くと縮むのでちょっと大きめに。
ギリギリサイズだと焼いたあとに指が入りません。
仮にくっつけてバランス調整。
針で接着面をひっかいてキズだらけに。
ベチャベチャ粘土をのせます。
取っ手をくっつけたらちょっとだけ揺らして、しっかりと密着させます。
つなぎ目に細い粘土ヒモを巻きつけてヘラでならすとヒビ防止になります。
白化粧を掛けて粉引にする
カップをつかんでも変形しないくらいに乾燥させています。
白化粧の調合例
カオリン:蛙目粘土:天草陶石
6:3:1
白化粧が濃すぎると表情に変化がなくなりますが、お好みで。
バケツにジャボンとズブ掛け。
他にはスポンジ叩きとか、刷毛塗り。スポイトで描いたり。
フチは軽くぬぐって欠け防止しましょう。
よけいなところはなるべく触らない。
崩れないように扇風機でしばらく急乾燥。
ベタつかなくなったら削り加工ができます。
粉のようなやわらかな白い雰囲気が出せる白化粧。白化粧を掛けた作品は粉引(こひき)。 粉引の器は使いこむごとに雰囲気のよくなる器です。また、金継ぎにもピッタリ! 粉引きの白色は粉をふいたような白さであり、ただの白い釉薬を掛 …
粉引の削り加工
下書きは薄めの筆ペンを使いました。
ヘラや針で自由に彫りましょう。
削ったところが暗めの色になります。
濃い白化粧の上に透明釉をかけて焼くと、取っ手やフチなどの一部にヒビが入って欠けました。手触りガサガサな無釉の方が強いようです。
粘土と化粧、釉薬の相性もあるのでベストな組み合わせを探すといいですね。